[Statement]

 

私は意思を持った生き物のような外見の、身に付けられるジュエリー作品を制作しています。幼少期にずっと自分と一緒にいてくれる存在が欲しくて「モノには人の意思とそれ以外の何かが宿っている」と感じた経験から、誰かにとって「ずっとそばにいて、共に生きていけるような存在」の制作を目指しています。

 

日本において一般にジュエリーとは、昔から「不変的な物質強度と機能性、金銭的価値を持った物」として認識されていますが、私は芸術という分野が新たな価値を創造し、その時代の歴史を積み重ねることであるとするならば、資本主義の下で無意識に作り上げられた「ジュエリー」という価値観を一度分解し「ジュエリーとは何か?」と問う事で、新たな価値を見出せるのではないか?と考えます。

 

私の作品たちは、木や骨といった主に自然から得られる素材を削り出し、それらを組み合わせて制作しています。それは言ってしまえば共に朽ちていけるものであり、所有する個人とともに死して灰になることも可能です。それは、個人にとって死の瞬間まで共にいられる存在が、その人にとっての永遠に価値ある物になるのではないか?と考えるためです。

 

あらゆる人間が自分で情報を取捨選択し、どう生きてどう死ぬかを考え選択していかねばならない日本社会において、「ジュエリー」は個人主義に最もフィットした表現方法であると私は考えます。そしてそれによって作り上げられる未来は、少なくとも今現在よりも「価値」について人々が考え、人生を何とどう歩むかの一つの選択肢を得ることになると思うのです。

 

2012年10月1日 片倉 謙太

 

 

 

 

[Background]

 

1987年 

日本人の父とマレーシア人の母の間に生まれる。

 

現在に至る。